出会い系でセックス
出会い系でセフレ探しをしていたのだけど、出会った女の子に家に住み込まれたことがある。
そもそもホテル代をケチって、当時独り暮らしだった僕が彼女を家に招き入れたことが発端だが、それはそれで別に構わない。ただ、それに味を占めたのか、彼女はそれからもたびたび家に泊まりに来るようになった。話を聞くと、彼女も独り暮らしなのだが、定期的に一人寝が寂しくなることがあって、泊めてくれる男の家を渡り歩いているのだそうだ。
まあ、それも別に構わなかった。ホテル代は浮くし、やらせてもくれたのだから文句のつけようがない。それに貧乳ではあったが、すらりと背が高くて細い抱き枕のような感触が添い寝相手としても問題はなかった。だが、そのスパンがちょっとずつ縮まっていき、気づけば1週間のほとんどを彼女は僕の家で過ごすようになっていた。彼女は僕と同じ時間に僕の家から出社して、同じような時間に帰ってくる。そして一晩過ごしてまた同じことの繰り返しだった。着替えも持ち込んでいたし、自分の家には帰っていないようだった。
僕は出会い系でセフレ探しをしていた。同棲するようなカノジョを探していたわけではない。だったら彼女と付き合ってしまえばよかったのでは?と思われるかもしれないが、別に僕は毎晩セックスしたい性豪でもない。そもそも、僕は孤独が好きなのだ。やりたい時に誰かとやり、喋りたい時に誰かと喋る。それ以外は、独りでいたいタイプの人間なのである。
だから、正直な話、迷惑だった。やりたい時に呼んでセックスを楽しみ合えるセフレでいてほしかった。だが、僕は彼女を追い出すことはできず、時だけが流れていった。
あれから20年が経つ。当時のアパートから一軒家に越したものの、未だに彼女は僕の部屋にいる。彼女に「出て行ってほしい」と告げられないまま20年が経ったのだ。今でも、自分の時間が作れず、彼女には出て行ってほしいとは思っている。しかし、それはどうやらもう叶いそうにない。
「三人目ができたみたい」
と、二人の子供を抱えながら、彼女はにっこりと微笑んでいた。
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